ハゲの主な原因は“ジヒドロテストステロン”

ハンク・グリーン氏:人生は、時としておもしろいことが起こることがあります。歳を取ってくると髪の毛が抜ける、なんて!

神に愛されし美しさである、髪が抜けるのを黙って見過ごすわけにはいかないですね。なんとかしなくては。

頭がツルピカになる要因はさまざまあるでしょうが、主な要因だとされるのは髪の毛を生やす働きを担っているホルモン、そして遺伝子の2つでしょう。

もっと具体的に言うなら、テストステロンのせいです。毛包のテストステロンがジヒドロテストステロン、DHTに変化する事によって髪が薄くなってくるからです。

科学者たちはその理由を突き止めてはいませんが、DHTが毛包を縮ませてしまうと髪が細く痩せてしまい、やがて完全に髪の毛の生育が止まってしまうのです。

女性よりも男性に薄毛が目立つのも、男性の方がテストステロンの合有量が多いからです。

男性と女性でタイプが違う

男性型脱毛症として知られる脱毛は、こめかみの辺り、額の辺り、頭頂部から始まり、やがて禿げ上がってしまうという脱毛の形です。

性別が女性であってもテストステロンは生産されます。その量は男性よりも少ない上に、エストロゲンがテストステロンの働きを抑える働きをします。

しかし、閉経後、エストロゲンの生産が減少してもテストステロンの生産量は変わらないため、髪は痩せ、女性型脱毛症と呼ばれる脱毛症が引き起こされるのです。

女性型脱毛症は額上部の髪が均等に沿って薄くなりますので、男性のようにヘアラインの後退は見られません。

男性のほうがハゲやすいのは遺伝子の影響?

では、将来髪が薄くなるかどうかはどうすれば知ることができるのでしょうか?

その問いに関する答えはとても複雑です。髪の問題で、私たちがいまだ知り得ないことはたくさんあるからです。

どうやら、そこには遺伝子が大きく関係しているようではあります。

調査員がほかの遺伝子とは異なる、いくつかの遺伝子を特定したところ、その遺伝子の多くがX染色体であることがわかりました。男性が女性よりもハゲやすいという説明が、これでつくわけです。

男性はX染色体を1対しか持っていませんからね。例えどのような遺伝子を受け継いでいたとしても、その遺伝子はかき消され、ハゲる可能性があるのです。

ところが、女性にはX染色体が2対あります。ですので、両親のどちらかからでもハゲない遺伝子を丸ごと受け継げる可能性は男性に比べると高いのです。

研究によると、X染色体以外にも男性の頭皮の脱毛を7倍にする変種の20番染色体の存在も分かっています。しかし、どうしてかはわかりませんが、女性の脱毛の原因となり得るというわけではなさそうなのです。

抜け毛に関する未知の部分はたくさんあります。私たちにはまだまだ解明できていないハゲの問題が山積みなのです。

もしハゲるのが嫌だと思うのなら、いい薬もあります。例えば、フィナステリドはDHTの生産量を減少させてくれますし、ミノキシジルは血管や毛包を拡張し、髪の育毛を助けてくれます。

もしくは、『スター・ウォーズ』のジャン=リュック・ピカードに似てるな、なんて自分の新たな姿に愛着を持つのもいいんじゃないでしょうか?

彼はツルピカだけどカッコいいですからね。