留学したい人は何から取りかかればよいのか

DaiGo氏(以下、DaiGo):さっき英語力の話が出たと思うんですけど、たとえば、これから留学したいと思っているときに、「どこから手をつけたらいいのかわからない」というのが正直なところだと思うんです。

猪俣先生は、留学の支援の団体とかやられてるんですよね。だから、僕はお世話になろうかなと思ったりとかしてるんですけど(笑)。

これから留学を考えてる人たちに、最低限何をすればいいのか、何から取りかかればいいのかというのをぜひ教えていただけると嬉しいんですけれども。

猪俣武範氏(以下、猪俣):僕の中では、まず一番はいつ留学するかを決める。まずはそれを決めないと、いつまでたっても英語の勉強もできないので。忙しいじゃないですか、普段。なので、いつしたいかというのも明確に決めて、それにめがけて逆算的にやってくというのが一番おすすめだと思います。

「4年後に行きます」と決めたら、それを落とし込んでいき、1年間でどれぐらいやるとか。4年後オリンピックまでにとかいいかもしれないですね。たしかにね。

柳内啓司氏(以下、柳内):まず、ゴールを決める。

DaiGo:たしかに。僕は都内に住んでるんですけど、「オリンピックで人がごちゃごちゃするのやだな。どっか行きたいな」とか思ってるから、オリンピックと同時に日本から消えるとかありかもしれないですね、これは。逆にオリンピック見ないで留学するという。これはあたらしいな。

猪俣:それすごいですね。

柳内:「東京オリンピック、海外でこんな感じですよ」というニコ生をするみたいな(笑)。

DaiGo:それは、おもしろいですね(笑)。じゃあ、まあ、いつ留学するか決めて逆算していくと。

履歴書を充実させる必要がある

猪俣:その上で1つ必要になるのはTOEFLの試験の点数は必ず。普通の大学院に行く場合は必要になると思うんですよね。現地に行くだけだったらば、もちろんそれは必要ないですけれど。

TOEFLの勉強をしてると、ライティングとリスニングとリーディングとスピーキングをそれぞれ勉強するので、実生活にかなり役立つと思う。そういった意味でもいいかなと思います。

あと大事なのは、日本でやっておくことは「貢献」というか。向こうに行くと一番履歴書で見られるのは、試験の点数とかもそうなんですけど、こいつがどれだけ自分のコミュニティに貢献してきたかとか。リーダーシップ能力とか、その人そのものを評価されるという。

日本みたいに瞬間最大風速の試験の点数だけじゃなく、もっと履歴書を充実させなきゃいけないんですよ。DaiGoさんだったら大丈夫ですけど(笑)。

なんでもいいんですね。勉強回主催してたとか。それこそ部活のキャプテンだったとか。履歴書を埋めなきゃいけないので。あまりにもそれがスカスカだと、やっぱり採点官も「こいつ勉強はしてるけど、ほかのこと何もしてないんだな」ということになってしまう。

結局、彼らが求めてるのは、大学に来て、大学にとってどれだけ利益を生み出す人材なのかというところなので。その後、卒業したあとも、どんなふうに活躍するかということを見てますから。それを示しておかなきゃいけないと思うんです。

DaiGo:それは本当に日本の大学とぜんぜん違いますね。

猪俣:ぜんぜん違うと思いますね。

柳内:たしかに。(コメントにて)「ニートおしまい」って。

猪俣:そんなことはない。

柳内:そう。就活みたいですね。「あなたの一番学生時代頑張ったことは何ですか?」みたいなことで、頑張ったというよりは貢献したことを聞いてくるという。

DaiGo:たぶんその比率がめちゃくちゃ重いということですよね。就活とかとは違う。

猪俣:そうだと思いますね。

柳内:それはハーバートでもそうなんですか?

猪俣:とくにハーバードとかはそうだと思います。もちろんビジネススクールもそうですし。全体がそういう雰囲気。いいのか悪いのかはわからないですよ。それがアメリカの場合は打算的になっていて。

学生はそういうのがわかってるので、もう早めにそういうことをみんなやるんです。大学生の頃から、ボランティア行ったりとか、いっぱいそういうコネクション作りに走るんですけれど。まあ、いいことをしてるわけなので。

柳内:外圧であっても、そうやってやってくという国になっているということですね。

猪俣:だから、どっちがいいかわからないですけれども、そういうのを日本では準備しておくというのを。そういうのは時間かかるじゃないですか。急には身につかないですし。なので、早めにそういうのをしておくというのが。

その3つですかね。「英語」と「いつ行くかを決める」と「貢献をしておく」という。リーダシップを取るような経験を積んでおくという。

柳内:わかりやすい。

DaiGo:すばらしいですね。これはだいぶ参考になりました。俺、貢献しないと(笑)。

留学は何歳からでも遅くはないのか?

DaiGo:今出てたコメントで「何歳になっても遅くないですか?」というのがあったんですけれども、けっこういましたか、年齢的には?

猪俣:いろんな留学があると思うんですけど、たとえば、2年間のフルタイムの普通のMBAだと少し若いかもしれないですね。30歳前後。若いと言っても30歳前後で。ただ、いろんなクラスがあるので。30~40歳向けのビジネススクールの同じようなコースもありますし。

僕が行ったのはエグゼクティブクラスだったので、もう40歳ぐらいの平均だったんです。少し管理職向けのコースとか。いろいろあるのでそれぞれのご年齢でいけると思います。

DaiGo:MBAにもいろんなコースがあって?

猪俣:微妙に分かれてるんですよね。海外の場合はとくに。

柳内:社会人経験有りとか無しとか?

猪俣:そうです。でも、けっこう来てましたよ。僕のクラスメイト、50歳の人とかもいましたし。

柳内:日本だと部長みたいな?

猪俣:部長みたいな人ですね。それが醍醐味なんですけど、その人の生きた経験を聞けるというが。そういう人とも異国の地で友達になれるというのがいいところかなと思います。

柳内:さっき(コメントに)「30歳でも大丈夫?」と書いてありましたけれども、それはOKですね。

猪俣:30歳はぜんぜん大丈夫。

TOEFLで必要な点数は90~100点ぐらい

DaiGo:今、(コメントに)「TOEFLは何点ぐらいいるんですか?」という。

猪俣:一応、大学にいるんですけれど、トップスクールと呼ばれてるところは90~100点ぐらい必要と言われてますね。

DaiGo:じゃあ、ここらへんを目標に考えていけばいいということですね。

猪俣:そうだと思います。

柳内:TOEFLは、すごいバカみたいな話ですけど、TOEICと比べて、点数が満点とかじゃないんですよね。相対的なやつなんじゃないんでしたっけ。違いましたっけ?

DaiGo:TOEICが990点満点が偏差値みたいな感じでしたね。

猪俣:そうですね。TOEFLは30点の4セクションなんですよ。だから、120点満点で。パソコンと話すみたいな。

DaiGo:(TOEFL)iBTでしたっけ?

猪俣:そうです。

柳内:今、もう全部それですか?

猪俣:今、もう全部それです。ペーパーもあるんですけど、今はなくなったのかな。本番では使えないのかもしれないですね。なので、基本的にはパソコンにスピーキングで吹き込むみたいな感じで。4時間ぐらいの試験でかなりきついです。

DaiGo:それは場所は試験会場とかじゃなくて、もうパソコン?

猪俣:TOEFLで試験会場があるんです。「今日は東京会場のここでやります」みたいな感じで。

DaiGo:常設とかじゃなくて、「今日ここでやります」みたいのがあって行くという感じなんですね。

TOEFLの試験センターはまるで「一蘭」!?

猪俣:TOEFLの試験センターみたいのがあるんです。そこに前もってインターネットで申し込んでおいて、当日行って。机が分かれてて、ラーメン屋の「一蘭」みたいになってる。

柳内:味集中カウンターというやつ?

猪俣:一蘭で試験を受けるという感じなんですね。

柳内:替え玉できない一蘭みたいな感じね。

猪俣:たまに中には一蘭じゃないシステムTOEFLもあります。仕切りがないんですよ。もうぜんぜん集中できない。

柳内:そっか、隣もパソコンとやってるんですよね。

DaiGo:味に集中できないですね(笑)。

猪俣:だから「場所選びも重要」とかよくみんな言ってます。

DaiGo:TOEFL受けたことがある人どれぐらいいるのかな?

猪俣:どうなんですかね。たしかに集中力4時間持たないですよ。

柳内:そこもなにかテクニックね。集中力の話も聞きたいですよね。

DaiGo:そうですね、この話し始めると、話が始まっちゃうんですけど、MBAだと、経験者の人とかやったことある人のブログとか見ると、もう死ぬほど課題が出て息つく暇もないみたいな。

猪俣:いや本当、宿題、日本と違ってすごく多いですよね。

DaiGo:(コメントに)「途中でブチ切れかけたTOEFL」(笑)。

猪俣:「ポイフル」(笑)。

DaiGo:ポイフルは違うやつだよ。

柳内:グミだよ(笑)。

DaiGo:西内まりやちゃんがCMしてるやつね。

柳内:『じょいふる』はいきものがかりね。少ないですね。やっぱり。

DaiGo:日本は「TOEIC、TOEIC」言ってる人、けっこう多いですけどね。

猪俣:TOEICですよね。

柳内:企業で受けさせるのも基本TOEICですよ。

猪俣:あれなんででしょうね。たしかに。

DaiGo:でも、世界的にはTOEICよりもこっちのほうが使われてるみたいな話も聞きます。

(コメントにて)「ジョイフルはお笑い芸人」と、それはどうでもいいんだ(笑)。

柳内:大喜利になってたんですよ。「タミフル」とかも来てましたね。医師としては反応しちゃいますよね。

イギリス留学ならIELTS

猪俣:そうそう、DaiGoさん。あと、イギリス行きたいときはIELTSなんですよ。

DaiGo:ああ、ありましたね。

柳内:オックスフォードの話だと?

猪俣:そうなんですよ。IELTSは何か問題になって、TOEFLが使えなくなったんですかね。たしか。

DaiGo:それから変わったんですね。

柳内:それまた、ぜんぜん対策が違ってくるんですかね。

猪俣:そうですね。少し日本人はIELTSがいいみたいですね。やりやすいと聞いて。受けたことないんですけれども、スピーキングが人なんですよね。人とやるので、もう少しわかりやすい。

人の口調を見て聞けるので。唇の動きとか感じでわかるのでいいということですよね。

DaiGo:じゃあ、ぼくは試験監督の心を読みながらやれば。IELTSがいいかもしれないですね(笑)。

柳内:イエスかノーの問題を絶対に解けますね、それは(笑)。

DaiGo:それはひどいですね。それ、向こうにいってから大変そうな感じで(笑)。(コメントにて)「DaiGo」向けとか。

第1志望は最初に受けるのが鉄則

DaiGo:けっこう話があっちゃこっちゃ飛んだりしてますけど、僕は、海外の大学に入るというと、たとえば、日本の場合だと「決まったときに入試みたいのがあってそれで入る」みたいなイメージがあるんですけれど、海外の大学もそんな感じですか?

猪俣:日本の方が、たとえば、これから行かれる可能性が高いのは大学院ですよね。もちろん直接大学もありますけど、基本的には9月始まりなので。クラスによってはまた別な期間に2回入試があったりとか。日本みたいに1回だけということはないと思うんですけど。

DaiGo:2回ということは2回取るということですか?

猪俣:受験が1回じゃなくて分かれてるだけの場合と、2回取ってるクラスもありましたね。あとから始まるみたいな。

DaiGo:じゃあ、2つ受けて、その点で入るかどうか決まるみたいな場合もあるということなんですね。

猪俣:それは1回でたぶん決まるんだと思うんですよね。それはそれで、また早めに申し込むみたいな。ただ、日本と違って 、早めに申し込まないと定員が埋まると終わることもあるんですよ。

4期ぐらいに分かれてて、たとえば100人のクラス。いつ申し込んでもいいんですけれど、一応、受験者のレベルを調節するために、大学側も一気に全部は取らないんですけど。かといってクラスをいっぱいにしなきゃいけないじゃないですか? そのへんのせめぎあいみたいで。

初めにある程度取らないと足りなくなったら赤字になりますしね。だけど、はじめだけでバンと取ると優秀な人が集まらないということで。そのへんを見ながら。だからもう、いい人が来たら絶対取っちゃうし。

DaiGo:定員100人だったら、1回目のテストで50人ぐらい取り、2回目30人ぐらい取り、3回目20人ぐらい取ろうかな、でも余ったら4回目もやるかもみたいな、そういう感じですね。

猪俣:そうなんです。なくなっちゃう場合があって。4回目はレベルがやたら高くなるとか。競争率上がるとかあるみたいです。

DaiGo:ということは、早めに受けたほうがよさそう感じですね。

猪俣:第1志望はやっぱり最初に受けるのは鉄則みたいですけどね。

柳内:受験日は被ってるんですか、大学によって? そんなこともないですか、けっこうバラバラ?

猪俣:バラバラだと思います。そんなに必ず被っては。いろんなところにあるので。バラバラではないと思うんです。

ハーバード大学・ボストン大学・MITで学んだ

柳内:猪俣さんはもうハーバードだけ?

猪俣:僕はエグゼクティブがボストン大学で、医学はハーバードなんですけど。僕は実はボストン大学と、あとMITにも行って。僕のキャリアは医者なので、やっぱりMITはあまり医者に興味ないというか。医学部ないんですね。だから、僕が行ったコースは、医者いっぱいいましたね。

柳内:日本の大学は、この点数以上・以下でとりますけど、向こうの大学はお見合い的というか、向こうがほしい人みたいなものもあるんですね。色がね。

猪俣:本当にそうで。向こうは入学の審査官という部署(アドミッション・オフィス)がちゃんとあり、彼らが力を持ってるんですよ。だから、ある程度決められるというか。

柳内:人事みたいな感じの。

DaiGo:採用みたいな。

猪俣:入学の人事部。日本だったら、ほかの学部の大学の教授がやってるじゃないですか。試験監督とか。そういうのがもう専門のプロの人がいるので。

DaiGo:じゃあ、意外と入り方は、特殊なのもあるけど、普通に試験を受けて入るみたいなところは近いということですね。

猪俣:そうだと思います。あと、日本と違うのはエッセイ書かなきゃいけないので。まあ同じですかね。小論文を書かなきゃいけないので。

DaiGo:テーマとかはどういう、向こうから提示されて?

猪俣:だいたいホームページに書いてあるんです。これとこれ書いておいてねと。一緒に履歴書出してくださいというので。実績が重要。

それに通るとインタビューに呼ばれて。実際に会ってインタビューか、Skypeでインタビュー。日本に卒業生がいる場合は、その卒業生と英語でインタビューという場合もある。

DaiGo:卒業生の人が面接官みたいな感じ?

猪俣:そういうこともあるんですね。

柳内:OBがね。

DaiGo:おもしろい。

猪俣:そういうのすごいですよね。

柳内:ついに東大もAO入試初めましたけどね。そういうエッセイみたいですからね。

DaiGo:デフォルトで、要はくっついてるということなんですね、そういう意味で言うと。

猪俣:東大のAOはセンターないんですか?

柳内:どうだったかな? この前初めて会ったんですよ。AOの初代の合格者の18歳の子に。

猪俣:もういるんですね。

柳内:でも、「エッセイ大変でした」と言ってましたけど、そういえばセンター受けたか聞いてないな。みんな知ってますか?

猪俣:学部はどこになるんですかね。

柳内:東大でいうと、学部まで決まるんです。だから、東大は理1・理2・理3とありますけど、そうじゃくて、学部まで決まる。学部まで決めてそれで取られる。

(コメントにて)「センター入試いるよ」と。みんな詳しいな。調べてくれたんですね。ありがとうございます。