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「株は買いたくてしょうがないときに売れ」 とある天才ファンドマネージャーの投資術

「株は買いたくてしょうがないときに売れ」 とある天才ファンドマネージャーの投資術

日経平均6日連続安を記録した2016年の初頭。割安になったという見方もありますが、結局株はいつ買っていつ売ればいいのでしょうか? 投資のプロ3名が投資タイミングについて語りました。レオス・キャピタルワークス藤野英人氏によると、元同僚の天才的ファンドマネージャーは「買いたくて買いたくてしょうがないときに売って、売りたくて売りたくてしょうがない、怖くてしょうがないと思ったときに買う」というやり方をしていたそうです。また、日本中が恐怖に縛られたリーマンショックや東日本大震災が押し目だったと、過去の買い時について振り返りました。

シリーズ
「長期投資新春セミナー」~究める投資道~
2016年1月9日のログ
スピーカー
レオス・キャピタルワークス株式会社 白水美樹氏
ありがとう投信株式会社 ファンドマネージャー 川元由喜子氏
レオス・キャピタルワークス株式会社 代表取締役 藤野英人氏
ユニオン投信株式会社 代表取締役 仲木威雄氏

日本株の運用だけで大丈夫なのか?

白水美樹氏(以下、白水) お客様からのご質問にもあったんですけれども、とはいっても、長い目で見ると日本経済、人口の減少を含めて成長しないのではないかなという不安が、どこかにあるかと思います。 その点に関して、「日本株の運用だけでこの先大丈夫なんでしょうか?」というようなご質問をいただいているんですが、仲木さん、いかがでしょう? 仲木威雄氏(以下、仲木) ありがとうございます。ユニオンファンドは世界のファンズに投資しているのに、あえて私に、「日本株、大丈夫ですか」という振りを、ありがとうございます。 (会場笑) 仲木 ええんやと思いますね。とくにひふみファンドの成績どうですかというと、たぶん物価上昇、日経インデックス400を凌駕してますし。ということは、日本の株で大丈夫ですか、日経平均でいいですか、TOPIXいいですかというと、クエスチョン(疑問です)。 ただし、そことはぜんぜん関係なく利益を上げている会社はやはり成長するという、ごくごく当たり前のことやと思いますので。たから、「日本だけじゃあきませんか」というと、そんなことないです。日本株だけでも良いと思います。ですが、全体だけ(インデックス)やったら厳しいよねと。 GDPもやっぱり、日本が世界に占める比率が6パーセントから2パーセントくらい下がってきます。日本の一人当たりGDPも。それで、人口も3パーセントから1パーセントに減っていきます。全体として世界に占める比率が減っていく中、企業が必死こいて頑張ってます。 ただし、国内だけのマーケットでやっている会社っていうのが減ってきてます。大きな会社でいうと、村田製作所やTDKさんとかは、売り上げの90パーセントが海外です。国内でやっている中小企業は、国内にあるマーケットをしっかり取って、キャッシュ生んで海外で勝負です。そんなストーリーをみなさんが見えていれば、いい日本企業を投資して応援していく。もしくはそういうファンドを買っていくということは、私はひとつ正解なんじゃないかなと思ってます。 最後、ROEに関してちょっと付け加えたいと思います。藤野さんからROE(の話題が)出ましたんで。伊藤レポート。伊藤さんはですね、一橋です。一橋の教授さんですが、めちゃめちゃ熱いです。あのレポート、私はですね、基準を作ってくれたほうが良いかなと思います。8パーセントという基準ですね。高い低いじゃなくて、まずは8でいこうよと。 では、ある会社のROEって7しかない。6しかない。あかん会社か? ちゃいますね。ROEは結果ではあります。では、あるお金をどこに投資しますか? 設備投資向けてますか? ROE上げるためだけに自社株買うんじゃないですよね?  やはり、経営者のこれからの行動は、みなさん、注視していただきたいと思います。経営者だけじゃなくても、会社がお金をどこに向けるかです。トヨタは設備投資じゃなくて、研究開発に向けました。Googleの人材をかたっぱしから取りに行こうともしてます。今まで取られてましたからね。逆に取りにいきます。 これから、企業経営者の動き、お金の出しどころは、我々にとって、めちゃめちゃいい勉強になるんじゃないかなと。それは、中小企業、大企業すべてですね。ですから、ROE7パーセントでも、こういう成長考えてやってんだっていう経営者の話、これはものすごく勉強になると思いますし、みなさんのお仕事や投資に関わっていくんじゃないかなと思う次第です。以上です。 白水 ありがとうございます。実際に世界の株式に投資をするファンドを運用なさっているありがとう投信さんなんですけども、川元さんの目線で、「日本株だけでの運用で良いんだろうか?」というお客様へ何かメッセージがありましたら。お願いしたいなと思います。

国内だけの投資ではもったいない

川元由嬉子氏(以下、川元) 私は、日本人で日本に住んで日本で生活しているからには、日本の資産をたくさん持っておくということは良いと思います。ただ、世界にはものすごくたくさんの会社があって、しかも、優秀な会社がたくさんあります。だから、日本の中だけで留まっているのはもったいないなということですよね。 日本の企業もいいんですけど、アメリカやヨーロッパの優秀な企業も、それはそれは素晴らしいところがたくさんあります。アジアはこれからということでしょうけれども、長い目で見るとポテンシャルは大きいですよね。アジア、新興国というのは。 そんなことで、国内だけでいけないかというといいんですけれども、もったいないな、というお答えにしておこうと思います。 白水 そこは世界に投資するありがとう投信さんとユニオン投信さんとをご検討いただければなということで、お答えにしたいなと思っているんですけれども。(笑)

結局、買いどき・売りどきはいつなのか

白水 続いてですね、今年のマーケット、このようなマーケットですよというような予想を、お三方にしていただきましたけれども。では、私たち、実際に投資をする側としては、いつ買ったりいつ売ったりすれば良いんでしょうか。 なかなか上値が限られている中で、安くなったら買いましょうね、買っても大丈夫ですよというようなお声はいただいたんですけれども。実際にいつ始めたらいいんだろうかですとか、いつ売却すればいいんだろうかですとか、いろんなみなさまのお悩みがあるかと思います。それぞれの講師の方に、買いどき売りどき、そして、投資をなさるときの心構えなんかを聞いてみたいなと思いますが。仲木さん、いかがでしょう? 仲木 ありがとうございます。最近、元PRIDEの大山(峻護)さんと、格闘技のトレーニングを1ヶ月に1回だけしています。何が言いたいかというと、「ジャブが必要だな」ということですね。 居合の剣術家とか、私は合気道もしてはなかったんですけど間合いです(準備)。格闘技をしてみて、ジャブを打ってないとストレートを打てないんですね。守れないんですね。フックも打てないし、かわせないし、ステップ打てないんですね。どういう買いどき売りどきが現れようが、やっぱり釣り竿たらしてないと、少しマーケットに触れておかないと、一気にストレートいったら、逆にカウンター食らわされます。 そういうことでいうと、買いどき売りどきは、とくにこれからの買いどきはいつかはわかりませんが、ジャブは打っといてください。これしてないと、いきなり下がって、もしくはいきなり上がったときに、あわてます。結果、何もできません。もしくは、大あわてで売ってしまいます。大あわてで買ってしまいます。企業を見ず、ファンドを選べず。 最後に、まっとうなご提案します。平成に入ってから、5,000円以上、みなさんにわかりやすく、日経平均にしますね、下がっているのって、7回か8回あるんです。2000年に入っても、ITバブルとリーマンショックと2回、半値くらいありましたね。そう考えると、タイミングは絶対来ます。どっかで来ますので、そのために、ジャブを打ち続ける。(投資信託を運用している方であれば)積立投資をし続けることが大事。 そして、ここっていうときに、どんと買いに行く。私は投資信託に売りどきってあんまりないって思ってますんで、常に買い買い買い買い生涯投資です。 ですから、基準として、平成に入ってから7回8回、5,000円以上下がってます。そして2000年代入ってから2回、大きな半値くらいになる暴落がありました。待ちゃいいです。そしたら、直販のみんなが、いろんな声出してくれます。そんときに、ここや、という会社に覚悟を持って、投資していただければ良いんじゃないかなと。以上になります。

投資のコツは貯めながらふやす「ためふや」

白水 藤野さん、いかがでしょうか? 買いどき、売りどき、そして、投資の心構えなんですけれども。よく「ためふや」という言葉を使ってご説明されてますけれども。今週より日経新聞の夕刊に、初めて投資をなさる方に向けて、投資の心構えをコラムで書いていらっしゃいましたけれども。いかがでしょうか? 藤野英人氏(以下、藤野) 「なるほど投資講座」という夕刊の、インターネットで見ることができるので。興味のある方は1回から4回まであります。長期投資の魅力について書いたんですけれども、先ほど白水が話した通り「ためふや」と言っているんですが。貯めながらふやすということなんですけれども。 例えば、私の友人とかによく言われるんですけれども、お金貯まったら投資するということを言われるんですね。今まで貯まらなかったんだから、ずっと貯まる見込みないじゃんという話で(笑)。だったら、貯めながらふやそうよという話をよくするんですね。 投資というと、現金で貯まったものを、あるときどかっと勝負するというような考え方をしている人が多いんですけど、そうじゃなくて、貯めるということと、ふやすということを一緒にしていきましょうということで「ためふや」、貯めながらふやす投資っていうことを言っている。 これが毎月積み立て投資、毎月投資と積み立て投資のひとつの言い換えが、貯めながらふやす「ためふや」なんじゃないかと思います。これはタイミングを選ばない投資の仕方ですね。それは先ほど仲木さんが話していた、「ジャブ」とまったく同じ意味合いになります。

買いたくて買いたくてしょうがないときに売れ

では、いつ投資をするのかというようなときに。私の前々職のときに、外資系のジャーディン・フレミングという会社、今のJPモルガン・アセット・マネジメントですけれども。同僚ですごい天才的なファンドマネージャーが1人いたんですよね。彼はいつも自分に問うと言っていて、それがすごいおもしろいなって思っていました。 何かっていうと、自分の気持ちをよく見てね、買いたくて買いたくてしょうがないと思ったときに売るそうです。いつも自分に聞いていてね。それで売りたくて売りたくてしょうがない、怖くてしょうがないと思ったときに買うというやり方をしていて。だから、いつも、彼のところに行くんですね。「今日、どんな気持ち?」って(笑)。 (会場笑) 藤野 「売りたいけど、売りたくて売りたくてしょうがないまではいってない」みたいな。「じゃあ、まだ買わなくて良いね」みたいな(笑)。そんな話であったんですけど。けっこうこれ、重要視というか、自分の中でもそう思っていて。 僕自身は売り買いすることに慣れているし、下げていることにも慣れているけれども、自分が恐怖に感じているときには買いだっていうのは、実はよく思っていることで。過去、何回かあったんです。リーマンショックだとか。 あと最近だと、東日本大震災のあとですね、3月11日に震災があって、それから15日の午前中、第4号機が爆発したときに、ほとんどの日本株がもう売り気配でいっぱいだったとき、もうそのときは恐怖ですね。でも、「絶対買いだ」みたいな。「恐怖に縛られたときに買う」。結果的に、あのときが、直近のマーケットのボトムだったんですけど。 これを自分の中でのひとつの考えとすると、「恐怖に縛られたときに買う」、ひとつのやりかたです。でも、これはなかなかできないので、まず、原則は貯めながらふやすというかたちで一定の額をやりながら、残った現金の中でどうタイミングを取るかというときの、ひとつの参考になればいいのかなと思っています。

株価を見ないようにする

白水 川元さんはいかがでしょう? 川元 やっぱり、積み立てていく、タイミングを取らないというのが王道ですよね。個人の方が「恐怖に耐える」とか「欲望を抑えていく」とかはやる必要ないと思うんですよね。それが楽しいというマゾヒストの方は、ぜひ、その辺の道を極めていただきたいですね。「究極の投資道」ですからね。滝にでも打たれるような(笑)。普通の人はそこまでやる必要ないんじゃないかな。 私も仕事ではともかく、個人投資家としては、ほとんど売り買いはしないですね。「高いときに売る」というのはできないので。私はどちらかというと、失敗してもうダメだなというときに売るだけなんですよ。 というのは、やっぱり何倍にもなる株というのは、その途中では高く見えるんですね。だけど、5倍になる前には1回2倍になるわけですよ。10倍になる前には1回5倍になるわけですよね。「5倍になってから売ろう」とか言っていると、10倍になるときには持ってないわけですよね。 だから、やっぱり株価を見ないようにすると最初にお話ししましたけど、忘れていること。自分の資産を見て、何かひとつの銘柄がすごくパフォーマンスがよくなりすぎたら調整する、バランスをとるということはありますけれども。 私は売るときはそんな感じですよね。調子があまりにもいいので、多くなりすぎたので売る。で、下がっちゃって、これはもうどうしようもない、二束三文だなと思ったときか、この二種類ですよね。 上がって、「売り時が来た」というときに売るのは、個人としてはないですね。下がったものも税金の調整に使えますからね。下がったものは下がったもので取っておいて。

売った株が5倍になるとくやしい

川元 個人投資家として過去をずーっと振り返ってみますと、本当にくやしいのは、買った株が潰れてしまったときじゃないんです。売ってしまった株がそのあと5倍になったときなんですよ。 (会場笑) 川元 こっちのほうがはるかにくやしいですよね。日本株ではそんなにたくさん例がないかもしれませんが、けっこう昔にアメリカ株を持っていて、とうとう買わなくて失敗した最大のものはスターバックスです。 1992年にシアトル出身のアメリカ人の友だちがいて、「すごくいい飲食店ができたから」って言われたんですけど、「そんなのドトールと一緒じゃん。どこが新しいの?」と思って、買わなかったんですよ(笑)。でも、本当に創業したときのスターバックスを買っていたら家が何軒買えたかな、とか想像したりすると、本当にくやしいわけですよね。 やっぱり売ってしまったもの、買いそびれたもの、これが上がってしまうほうが、本当ははるかにくやしいんです。だから、いい売り場で売ろうとかはあまり思わなくてもいいんじゃないかなと思います。 多くなりすぎたらちょっと売って、プロフィットテイキング、利食いというのをちょっとしておけば、あとは残りの株については株価を忘れていられるという効果もありますし、個人投資家としてはそんなやり方をお勧めいたします。 白水 ありがとうございます。「節分天井」という相場の格言があるんですけども、ひふみ投信のお客様でもいらっしゃったんですが、2月になったら一旦売却するというお客様。心に決めてお電話いただいて、「節分天井だから今売るよ」と言って、売却なさる方がいらっしゃるんですね。 そうすると、だいたい3月か4月になって、「節分天井というのは嘘だったんだね」というお怒りの言葉を頂戴したりするんですけれども。本当に必要なときに換金なさるというのが、いちばんいい売却のタイミングではないかなと私どもでも思っております。 やっぱりいいファンドというのは、下がったときにお金が入ってきますよね。みなさんはもう実践なさっていらっしゃるかと思うんですが、さっき、仲木さんからもありましたけれども、ドンと下がったときにお金がたくさん入ってくるファンド、これは本当に強いファンドだと思います。その後の成績をご覧いただくと、すごくいいリバウンドをしているかと思います。 下がったときにご解約なさってしまいますと、私たち運用する側も下がった株式をさらに売却することによって、どんどん自分たちの首を締めていくんですよね。そこの部分で新たなお金が入ってくると、安くなった株、安くなった投信をまた新たに買うことができる。その結果、相場の上昇とともに成績も上がって、とても強いファンドになっていくかと思います。 お客様の売ったり買ったりする投資行動と、運用が一体化することによって、いいファンドが作られると思いますので、ぜひ、その部分もご参考になさっていただければなと思います。

  
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