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人はアスパラガスを前に4つに分かれる 臭いおしっこの謎を追い求めた科学者たちの歴史

人はアスパラガスを前に4つに分かれる 臭いおしっこの謎を追い求めた科学者たちの歴史

アスパラガスを食べた後におしっこが臭くなったという経験はありませんか? これはコーヒーやにんにくを食べた後に尿が臭くなるのと仕組みは同じですが、アスパラガスの場合は、すこし特別な事情があります。尿が臭くなる人と、ならない人がいるのです。研究者たちは、1890年代からその謎を解明すべく実験を続けてきました。今回のサイエンス・チャンネル「SciShow」では、2011年に判明したその仕組を解説します(SciShowより)。

シリーズ
SciShow
2014年11月24日のログ
スピーカー
Hank Green(ハンク・グリーン) 氏
参照動画
The Truth About Asparagus and Your Pee
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アスパラガスを食べると尿が臭くなる

ハンク・グリーン氏 皆さんの中で、スカンクのおならの臭いを嗅いでみて、あのかぐわしい香りを自分の体液で再現したい、と思う人は恐らくいないでしょうね。しかし、人類のうち40パーセントは、実はそれができるのです。 やることは簡単です。ただアスパラガスを食べて少々待ち、外敵におしっこをひっかけてやればよいのです。 asp1 アスパラガスは、奇妙な野菜です。単子葉植物といって、子葉は1本であり、タマネギやニンニクの仲間です。花はヒトにとって有毒ですが、茎部はビタミンKやビタンミンCなどの栄養分を豊富に含んでいます。 asp2 研究者たちは1890年代から、アスパラガスがヒトの尿の臭いを悪臭に変えるのはなぜかを調べてきました。もちろん、コーヒーやニンニクなど他の食品も尿の化学的性質を変えますが、それはちゃんと原因がわかっています。食品の中には、体内で完全には消化できない強い臭気を放つ化合物を含むものがあり、それが体外に排出されるためです。この場合は、尿として排泄されるわけです。 asp3 アスパラガスは、他では見られない独特の臭気を放つ化合物を含有しています。アスパラガス酸と呼ばれるもので、消化の際にメタンチオールやジメチルスルフィドなどの硫黄化合物を生成します。硫黄はスカンクのオナラや腐った卵のような独特の異臭で有名ですね。 asp4 asp5

アスパラガスを食べても尿が臭くならない人もいる

奇妙な点は、多くの人は、アスパラガスをたくさん食べても排泄物に影響が表れず、臭いは変わりません。 研究者たちがその原因を調査し始めたところ、2通りの説明ができる可能性に気がつきました。 1つは、臭くない尿を排泄した人たちは、単に臭いのある排泄をしなかった可能性があります。つまり、臭気を発する化合物を含有する尿を生成しない人たちだったわけです。 もう1つは、化合物を生成はしますが、本人たちがその臭いを感知できなかった可能性です。 1956年、真相を解明するために、オクスフォードの2人の生物学者が実験を行ないました。115名の被験者にアスパラガスを食べてもらって、その尿を分析したのです。 結果、いくつかのサンプルでは臭気が発生しましたが、しない尿もありました。そして臭気のある尿の標本は、すべて同じ化合物、メタンチオールを含有していました。 asp6 これ以降、他の研究においても、排泄者の尿からジメチルスルフィドやジメチルスルホンなど、アスパラガス酸のさまざまな副産物が発見されました。 asp7 人が排泄者と非排泄者の2種に分かれることは明白かと見えました。しかし研究は続き、1980年、今度はイスラエルの研究者が「アスパラガスを食べると、人は皆、尿が臭くなるのに、単にその臭いがわからない人もいるのではないか」という疑問を抱きました。 asp8 この疑問の解決のためには、実に飛んでもない量の研究がなされたのです。とにかく、この研究者は307人に頼みこんで、ある人の臭いアスパラガス尿の臭いを嗅いでもらいました。すると、彼がほぼ正しかったことがわかりました。 臭気に気がついた人もいれば、同じ標本で臭気がわからない人もいました。こうなると、しばらくの間、混乱が続きました。

アスパラガスと尿について、人は4つに分けられる

asp9 2011年、フィラデルフィアにあるモネル・ケミカル感覚センターが、この2つの可能性について同時に実験を行ないました。被験者たちはアスパラガスを食べる前と食べた後の尿を採取し、アスパラガスを食べた他の人の尿の臭いを嗅がされました。 研究者たちは、2つの仮説が根本的には正しいと結論づけました。人は排泄者と非排泄者の2種に分かれると同時に、臭気を感知できる人、できない人にも分類することができたのです。 臭い尿を生成して臭いがわからない人もいますし、臭い尿を生成しさらに臭いがわかる人もいます。僕は後者です。臭い尿を生成しなくても、他人の尿にアスパラガスの痕跡を感知できる人もいます。 科学者たちは、こういった違いはすべて遺伝的なものだと考えました。臭いを感知できない人たちには、特定の臭いへの無嗅覚症があり、400ほどある嗅受容器のうちの1つが突然変異を起こして機能しなくなっているというのです。 同様の突然変異で、バニラやミントなどの臭いがわからない人もいます。臭い感知の機能停止が選べるのなら、僕だったら、バニラよりアスパラガス尿がわからない機能を選びます。アスパラガス尿の臭いは、ひどいものですからね。 非排泄者には、別の遺伝子の突然変異があり、そもそも化合物を排泄することができません。そして排泄されないとなると、これらの化合物がどこに行くのか、まだわかっていません。アスパラガス尿の科学の世界では、まだまだ調べることがありそうです。その謎を解明するのは、あなたかもしれませんよ? asp10 かつてフランス人作家マルセル・プルーストは、アスパラガスについてこう書きました。「シェイクスピアのおとぎ話のように、私の便器を香水瓶に変える」と。SciShowは知的好奇心の塊です。アスパラガスは、果たして便器を香水に変えるのでしょうか? もしわかったら、教えてください。

  

SciShow

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