「参照」について学びましょう

おさ氏:今日は「絶対参照」と「相対参照」、この2つの参照の違いについて勉強していきます。

そもそも、エクセルのなかで「参照」という言葉が使われた時はどういうことを意味するのか、と言いますと「あるセルのなかに含まれるデータを引っ張ってくる」、あるいは「指定した先のセルのデータを抽出してくる」ということを意味します。

参照に関しては、具体例を見てもらうほうがわかりやすいかなと思います。

例えば、F2のセルに「おさとエクセル」と、こういうデータが含まれているとしましょう。

「参照する」というのが、どういうことかといいますと、次のようになります。

=(イコール)で始めて、データを参照したい先のセルの番地を指定してあげる。ここだとF2ですね。クリックして「F2」としました。

これでEnterを押すと参照したいデータがこちらにも反映されます。

これは、「コピペで充分ちゃうか?」と思う方いらっしゃると思うんですけども。

例えば、コピーしたデータと参照したデータ、これちょっと比べて見てみますね。

今ここには「おさとエクセル」、文字列で含まれてるんですけど。

上のデータ、参照で含まれてますよね。

この時にどういう違いが出るかというと……参照元のデータが例えば英語名に変わった時……こんな感じで「Excel with Osa」と変わった時にも、こちらに自動的に反映されるシステムが組み込まれています。

こういうかたちで、参照はとっても便利な時があるので、ぜひぜひ使いこなせるようにしていきましょう。

相対参照と絶対参照の指定の仕方

参照のなかにも2つの種類があります。1つが「相対参照」、もう1つが「絶対参照」です。この「相対参照」と「絶対参照」の記号、指定の仕方の違いについて、まず覚えていきましょう。

「相対参照」は今やったように、こういったかたちで非常にシンプルです。アルファベットと数字を組み合わせる、要するにセルの番地を指定してあげるだけ、です。

一方「絶対参照」……つまり、データの引用元を固定しておきたい時はどうするのかというと、$(ドル)マークというものをつけ加えます。「$A$1」という感じですね。

この「相対参照」「絶対参照」の具体的な違いについては、のちほど具体案を用いて説明していきます。

次に「複合参照」というものがあります。これは「相対参照」と「絶対参照」を組み合わせたものですね。それを「複合参照」と呼びます。

具体的にはこのなかにも2つあって、「行を固定したい時」、もう1つは「列を固定したい時」の2つに分かれます。「行」っていうのは、この横の番号で示されてるところ、これを固定したい。この場合は「A」と打ったあとに$を指定してあげて、「1」と。つまり固定したい行の前に$を指定してあげます。

一方で「列」はアルファベットで示されているので、アルファベットの前に$を置くようにしましょう。こういう感じですね。

今、記号の書き方を覚えたんですけれど、$ってキーボードで打つとめちゃめちゃ面倒くさいので、ショートカットを覚えるようにしてください。

Windowsの方ですと、F4キーを1回ポンッと押すだけです。Macの方ですと、「コマンド+T」を押すとショートカットで$マークが設定できます。

参照の具体的な使用方法

では、具体的にどういうふうに「絶対参照」「相対参照」を設定していくのかみていきましょう。

例えば、今ここにsum関数で計算がされているとします。

わかりやすいので黄色にします。

今、ここのなかに含まれているのはsum関数なんですけど、引用元はここですね。F3:F6が示されています。

ただこれ、「相対参照」なんですけども、これをショートカットキーで「絶対参照」にします。こういう感じですね。

こういう感じで「絶対参照」に指定されました。これをコピーしてこちらにペーストしてあげると、同じ「10」という値が示されているんですが、

こちらの引用元データを見ると、先ほど指定したこちらの範囲が指定されています。

なぜなら、「絶対参照したことによってデータの引用元が固定されたから」なんですね。

じゃあ、仮に、今、元々のデータが「絶対参照」ではなくて、「相対参照」に指定されていた場合、どうなるかというと。

コピペします……ショートカット、MacだとコマンドCコマンドV、WindowsだとCtrlに変えてください。こうすると、今、値が変わりました。「14」という数字出てきたんですけど。

こちら、今「G3:G6」がデータの引用元として反映されてます。

これは「相対参照」にしたことによって1個ずつセルの値・セルの動きが右側にずれていった、ということになるんですね。

こういう感じで「絶対参照」「相対参照」は、「データの引用元を固定したい時は絶対参照」「データの引用元を少しずつ動かしたい時には相対参照」というような使い方をしていきます。

この2つ、最初のうちはちょっと厄介な相手なんですけれども、これからずっと使っていくものです。値域とか関数とか覚える時に必ず使います。ですので、皆さん、$マークの使い方・ショートカットともに覚えるようにしていきましょう。

どうもありがとうございました。