お茶目な一言で会場を沸かす

五郎丸歩氏(以下、五郎丸):みなさん、こんにちは。

会場:こんにちは!

(拍手)

五郎丸:ラグビー日本代表の五郎丸歩です。このような大勢の方々の前でスピーチをするとは思ってもいませんでしたので、非常に緊張しております。

ラグビーにおいては私、ルーティンを持っていますけども、スピーチに関しては全くルーティンを持ってませんので、本日メモというルーティンを作って参りました(胸元からメモを出す)。

(会場拍手、笑)

簡単でございますけども、スピーチをさせて頂きます。

この度、自民党60年周年記念式典にお招き頂き、またこのような時間を設けさせていただきまして、誠にありがとうございます。まず最初に、ラグビーワールドカップ議員連盟の先生方の多大なるご支援のおかげをもちまして、先のワールドカップで歴史的勝利を収められたことを心より御礼申し上げます。

(会場拍手)

歴史的大勝利を収めたわけですが、我々が目指していた準々決勝という大きな舞台には立てなかったことを非常に悔しく思います。しかしながら、日本のラグビーの歴史だけではなく、日本のスポーツ界に新たな1ページを加えられたことを非常に嬉しく思いますし、また、みなさまに感謝を申し上げます。

歴史的大勝利、南アフリカ戦について

ここで、ワールドカップのことを少し話をさせていただきたいと思います。

まずは何と言っても、南アフリカ戦。誰もが勝つわけないと思っていたと思います(笑)。私も、その1人でございました。

ただ1人、エディ・ジョーンズヘッドコーチだけは1つもぶれることなくですね、チームの先頭を切って、南アフリカに勝つんだといった思いを我々に示してくれたところ、少しずつでありますけども我々も南アフリカに勝てるのではないかと言った気持ちになり、南アフリカの1週間前ではございますけども、私も「勝てるのではないか」「勝つんだ」と、そういった気持ちになって参りました。

そして、3点差で迎えたラストの1プレーで、皆さんもご存知の通り逆転をしまして、ワールドカップ歴史上1番の番狂わせを起こさせていただきました。

(会場拍手)

そのスタジアムは3万人のお客様がいらっしゃいました。そのうちの日本のファンというのは、3割から4割の方だったというふうに感じております。

しかしながら試合が終わった後、南アフリカのファン、日本のファン、関係なく、我々を讃えてくれたことを非常に嬉しく思いました。また負けた南アフリカが我々に対して敬意を表してくれたことを非常に嬉しく思いました。

また、南アフリカにすぐさま我々が敬意を示せなかったことに関しては、本当に未熟さを感じましたし、これから我々が修正していかなくてはいけない点だというふうに感じています。

試合の2日後ではございますけども、ベースキャンプ地を置いておりましたブライトンという町の、ブライトンカレッジというところに我々は行きました。

そこで、最後の練習をするためにバスに乗って、全員で移動しました。すると、ブライトンカレッジの1,200人の生徒達が、我々がバスを降りるところからグランドの隅っこまで列になって、自国が優勝したかのように我々を讃えてくれたことを未だに覚えています。

また、2つ目のベースキャンプ地でありますウォーリックに行った時の話ですが、ウォーリックという町にはウォーリック城というお城がありまして。我々が行った時にはそのウォーリック城の1番上にですね、日本国旗が掲げられ、町中を上げて我々を歓迎して頂いたことを本当に嬉しく思います。

ラグビーワールドカップに向けて

2019年我々はラグビーワールドカップのホスト国として彼らを迎え入れなくてはなりません。そういった責任を全うするためにも、まずは国内の人気を取り戻すといったところにしっかりと照準を置いてやってまいりたいと思います。

2019年に向けて、各地方でラグビーの普及が進むなかですが、ラグビーのワールドカップというものは12会場で開催されます。 日本全国各地で開催されますけど、その12会場だけでなく彼らがベースキャンプ地とする県や都などを合わせると倍近くのところがワールドカップに関係してきます。

そういったところで、しっかりと地方の強みを活かしてラグビーのワールドカップの選手達をしっかりとおもてなしして頂ければというふうに思っています。

私事ではございますけども、来年2016年2月よりオーストラリアでプレイすることが決定致しました。

(会場拍手)

自身としては初めての海外での経験となります。日本にいる子供達だけでなく、日本の国民のみなさんに夢や希望を与えられるよう1プレイヤーとして努力して参りたいと思います。

2019年ワールドカップ、そして2020年オリンピックと、世界3大スポーツの2つが日本にやって来る。こんなに恵まれた国は本当にないと思っています。

これから4年後、5年後、皆さんの力で新たなスポーツ文化の継承をしていって頂きたいとの思いをもって、簡単ではございますけどもスピーチに替えさせていただきます。本日はありがとうございました。