縄文人の食事、食べる量で見たバランスは?

松島倫明氏(以下、松島):多分、みなさん質問されたいことがたくさんあると思うんですけれど。おそらく2つか3つくらいしか受けられないと思うんですが、どなたか。

質問者:貝塚のスライドをお願いします。これ、「カロリー比で」とおっしゃってましたけども、実際に人間が食べるときって、あんまりカロリーは考えていなくて、食べるものの量だと思うんですね。そちら、菜食の方もそうだと思うんですけども。

これ、(スライド棒グラフ)右のほうをそれだけのカロリーを取ろうと思うと、量が相当あると思うんです。で、左側の、例えば獣類のカロリーって、ちょっと食べただけでガーッと上がると思うんですけど。実際、食べる量としてはどんなもんなんですかね? 感覚的に。

我々、菜食か肉食かのバランスって言っているのは、食べる量で言ってると思うんです。感覚的なもの。わかりますかね。カロリー比じゃないんですよ。重さでもないと思うんだけど。合算みたいな。感覚的に捉えてるんだと思うんですけど、それで考えると、これは何割くらいになるんですか?

宗田哲男氏(以下、宗田):やっぱり、ドングリもクリもヒシも、特にヒシなんかはそうだけど、ほとんど中身ないんですよ。カロリーになる糖質が。

炭水化物っていうのは、繊維と糖質を合わせたものですね。ところが、繊維はカロリーはないから、実際には糖質量なんです。だけど糖質量がそんなにないから。ドングリだけちょっとあるだけで。ほかのもののほうがはるかに多いと思いますね。

質問者:……ええと、なので、「カロリーで出してるんですけども、食べる量で言うと何割くらいになるんですか?」っていう質問をしてるんです。

宗田:いや、ほぼこれと同じだと思います。ですから、脂肪はそんなにないんです、どれを取っても。脂肪はカロリーとは違いますけど、糖質量で言えばみんな同じですから。たんぱく質であれ。こっちはほとんどたんぱく質ですね。

森睦美氏(以下、森):先生、たんぱく質も脂質も、ちゃんとカロリーになるんじゃないんですか?

宗田:だから、炭水化物とたんぱく質では同じカロリーですから。

松島:あの、ご質問はおそらく……。

宗田:だから、量的に言うと、この量とこの量で考えていいと思いますってことです。たぶんこのほうがボリュームはあると思います。あるけど意味がないというくらいの。ボリュームはあると思います。繊維があるから。

松島:結局、なかなか食べてもカロリーを取れないものだから……。

宗田:ただね、クリもヒシもそんなに繊維ありません。ですから、ドングリとクリとヒシを足したところで、糖質量で見ていいと思うので、4と4で考えると大体8:2になるだろうと思います。ボリューム的にも。

松島:よろしいですか?

宗田:これが木の葉だったら、もっとたくさん食べなきゃだめですよ。

質問者:あの、全然聞いていることにお答えいただいてないので、もう結構です。

(会場笑)

現代の食は「特殊で不自然」

松島:はい、ほかにご質問ありますでしょうか? じゃあ、そちらの男性の方、お願いいたします。

質問者:「人間が歴史上、肉食だった」っていう話はすごくおもしろかったんですけど、現代食に関して、今、添加物や化学物質の問題がすごくよく言われているんですけど、これを吸着、排出するのに、食物繊維を取ることが非常に有効だというのを聞いたんです。そのあたり、現代食に関してはどうなんでしょうか?

松島:どちらに聞きましょうか? そうですね、最初に石田さんも自己紹介のときに、「肉を食べるとき、現代の畜産のマイナス面があるんじゃないか」みたいなことを、おっしゃっていたと思うんですけれど。

長尾周格氏(以下、長尾):やっぱり現代の食生活というのは、あらゆる意味で特殊というか、不自然というか。添加物の問題しかり。

そういった意味では、肉食派の人たちの知見も、または、そちらの菜食側の方の知見、発酵食品をうまく利用するとか、そういったところをうまく自分のなかでアレンジしながら、工夫しながらやっていくことがいいんじゃないかと思います。

だから、理想として僕は「先住民と同じ食事をしていれば、同じように健康になれるよ」と言うけど、現実問題、そんなものが手に入らないでしょってなったときには、現代食に特有の害を減らしたり、それをなくしたりということで、発酵の技術とか食物繊維の使い方とかも、考えたほうがいいんじゃないかとは思います。

松島:ありがとうございます。なんかすごく、最後いいかんじにうまくまとめていただきましたね(笑)。非常に素晴らしい、まとめをしていただいて、ありがとうございます!

(会場笑)

食べごたえのあるローフード

松島:じゃあ、最後に一言ずつ。本日、非常に楽しい会だったと思うんですけれど、一言いただいて締められればと思います。

では、石田さんからお願いいたします。

石田恵氏(以下、石田):なかなかシェフとして、口が出ないことが多かったんですけれども、お食事を作るものとして、植物性の食べ物の色、カラフルな色ですね。

そして、皆さんは、先ほども出ましたフィトケミカル等、そういったものを、お好きな食べられるものに付け足して、植物のパワーを感じていただけたらなという思いで、ここにおりました。

(会場拍手)

松島:ありがとうござました。

:ありがとうございます。少ない菜食派で(笑)。

(会場笑)

皆さんの思いのなかで、菜食っていうとサラダとかスムージーくらいのイメージしかないんじゃないかなと思うんですけれど。実は私たちが提供しているものは、本当に食べごたえがガッツリあって、見た目もきれいで、そういったものがたくさんあります。

サラダだけのイメージではないんですね。ぜひ、発酵ローフードというのを、どこかで見たり聞いたり、食べてみていただけると、みなさんの食べ物ワールドが広がるんじゃないかなと思っております。機会がありましたら、ぜひ試していただけたらと思います。今日はありがとうございました。

(会場拍手)

これからはケトンに注目

松島:ありがとうございました。では、宗田さん、お願いいたします。

宗田:今、日本の糖尿病学会の偉い先生たちは「砂糖と米はいい、食べなさい」。そして「薬でインスリンを使って下げればいい」と、こういう治療をしています。

だけど、もともとインスリンが発明される前は、糖質を少なくして糖尿病を管理してました。で、食事については、今はノーマークです。どちらかというと、「好きなものを食べていいよ、その代わりインスリン打てばいいから」。で、「低血糖になったら、砂糖なめればいい」。

ところが、インスリンというものが蓄積される、たくさん使われるなかで「ガンが起こってくる」とか、「いろんな病気の合併症が起こる」ってことを、最近、いろんな先生が唱えています。

「下げればいい」じゃなくて、「上げないほうがいい」っていうことが、私たちが今考えていることです。「ケトンで生きてきた人間が、ケトンで生きていくほうが自然じゃないか」と。

で、一番大きな問題は、ガンと認知症という、今まで……もちろん歯周病とかそういうのについてはわかってたんですけど、ガンまでが砂糖が大好きだと。糖質いっぱい取ってるとガンになる、と。

有名なプロレスラーの方が、コストコでいっぱいケーキを買っているのを見て、私はすごく心配してたんだけど、やっぱりね……。

PETって検査やりますよね? 全身のどこにガンがあるか調べるのに、ブドウ糖を入れて、それをレントゲンで撮るわけです。そうすると、なんとなんとガンのところに集まるんです。

ガンは、40倍~50倍以上、ブドウ糖が大好きです。その代わり、ケトン体は使えないんです。このことが今、だんだんわかってきて、全身に転移してるガンの人が、ケトン体だけの食事にして、ビタミンCを点滴して、治ってきているんですよ。この研究が学会でいずれ発表されます。

いろんなことがこれから変わりますので、みなさん注意していてほしいのは、ケトンは、もしかすると、ケトンの生活にするだけで、自分の頭もよくなり、認知症もね(良くなる)。

それから、ある九州の塾の先生が、ケトン人間の子供たちを育てながら、成績がみんな伸びていることを、今度、本にします。だから、いろんなところでケトンが注目されます。皆さん、ぜひ注意して見ていってください。

糖尿病と戦う中学生の話

そして、肉食、菜食、どっちがいい、悪いじゃなくて、肉の特徴、菜食のなかの食物繊維が悪いとは思いませんけど、糖質については明らかに私は体を壊すと思いますので、注意していただきたいと思います。

うちのクリニックには今、1型糖尿病の中学生が2人、なんと中学生なのにお菓子も食べないで、インスリンも打たないで、糖質ゼロの生活をやって、見事によくなっています。

彼女は毎日、唐揚げ食べてますけどね(笑)。でもね、唐揚げ食べても血糖値は上がらないってことが、わかったんです。ですから、インスリンを打たないで生きられる。そしたら、何が起こったと思う? 膵臓が元気になってきて、インスリンが出てきたんですよ。

(会場驚き)

宗田:「糖尿病が治るんじゃないか!?」と私は思って、中学生の彼女らと戦っています。それ以外にも、妊婦さんで1型、普通の方で1型、インスリンを使わない人が続々生まれています。

我々は血糖値を測れるんです、今。インスリンを発明する前は測れなかった。だから何していいかわからなかったけど、測っていれば、血糖値が低ければ、ケトン体が5,000でも何も起こりません。

だから、今までケトン体は悪者にされてたんですね。ケトン体が悪いんじゃないんです。血糖値を上げることが悪いんです。だから、上げなきゃいいんです。っていうことが、だんだんわかってくると思いますので、みなさんもぜひ、ケトン体に注目してみてください。ありがとうございました。

(会場拍手)

ケトン体が人類を救う 糖質制限でなぜ健康になるのか (光文社新書)

「いいとこ取り」で健康な生活を

松島:ありがとうございました。では、長尾さん、お願いいたします。

長尾:はい。宗田先生の本は実は僕も楽しみにしていて、もう予約させていただいております。で、あの、私事なんですけれども、来年の1月に本が出ることになっていまして。来年は決まっているだけで2冊本が出ると思いますので、みなさんよかったら。

(会場笑&拍手)

それでですね、ローフードの方のお話は、僕もすごく興味があって、もっと深く聞いてみたいなという思いがあったので、ちょっと時間が短かったのが残念だなと思いました。

ただ、お話に出てきてたとおり、現代の肉の問題、家畜肉っていうのは毒素とかそういう問題物質が生物濃縮って言って濃縮していくから、やっぱり「そういう毒をたくさんため込んだ動物の肉を食べると健康的によくない」というところが、ローフード、……、いやローフードじゃないか、菜食という考えが生まれたベースとして、確実にあるんですよ。

ですから、「肉だけ食べてりゃ健康になれる」って、そんな能天気な話ではないのはもちろんそうなんですね。

ですから、われわれは今、こういうふうに情報をたくさん得られる立場にいるので、肉食派の意見も菜食派の意見も広く集めて、いいとこ取りをして、皆さんなりに健康な生活をアレンジしていってほしいと思います。今日はありがとうございました。

(会場拍手)

松島:皆さま、本日はほんとうにありがとうございました。もう一度大きな拍手をお願いします。

(会場拍手)