イワコシ:今回は外部の方からの採用となりましたけれども、今回一人だけ職員で応募された方いますが、意欲のある方にはこれからも応募してもらいたい?

橋下:職員ですか?

イワコシ:はい。

橋下:いや、どんどんですよ。局長公募で外部っていうのは今回3人目でね、内部で採用されている数の方が多いんじゃないですか、局長公募は。だから別に僕は外部にこだわっているわけではなくて、適材適所に判断していますから。経済戦略局長は外部の方になりましたけど、その他の局では内部で登用しているって数もたくさんありますものね。

イワコシ:わかりました。ありがとうございます。

タカオ:共同通信タカオです。昨日市長の退庁のぶら下がりのところでですね、訪米に関して、理由は総合的に判断するとおっしゃったと思うんですけど、市長は松井知事とのやり取りの中で、自治体外交は公益が担うものであるというようなことをおっしゃったと思うんですけど、このあたりっていうのはある意味松井知事に訪米してもらいたいっていう?

橋下:必要最小限に絞って、今回訪米にって組んだとこはありましたね。必要なものはやりますけど、基本的には自治体外交は公益外相がやるもんだと思ってますけどね。今回のことはなにか特別な松井知事に対する配慮とかではないです。単純に一連の騒動の中で法的に判断して、訪米するメリットはないという風に判断したので、もう止めると決めたところです。

タカオ:分かりました。で、市長の方から松井知事に対して、訪米は中止したっていうようなお話は伝えたんでしょうか。

橋下:だから、これ週末ぐらいにもうその方針を担当局の方に伝えて中止の方向で検討してほしいという指示を出しましたからね。その段階で知事にも話をしていますけどね。

タカオ:市長が表明された後に知事と特別何かやり取りは?

橋下:それはないです。

タカオ:分かりました。ありがとうございます。

タカセ:産経新聞のタカセですが、今回の5月委員会で議論が十分に出来なかったということに関して、市政が停滞しないよう注意をしたいとおっしゃる一方で、5月議会の中で東京に行ったのは1日だけということですので、そういう意味では市政が停滞したという指摘は当てはまらないというように聞こえたのですが、その指摘に対して市長反論がおありになればと思ったんですけど。

橋下:市政が停滞したとは僕は思ってないですよ。その平日の日程を使って、今回のことを対応したわけではないので、もし議会に呼ばれれば委員会でもなんでも僕は議論をさせてもらいたかったんですけど、そういう日程になってなかっただけですから。市政が停滞したという誤解が生じたのであれば、そうならないようにこれから力を尽くしていきたいと思っていますけども、今回の僕の一連の行動で大阪市政に対して何か本来使うべき時間をね、使わなかったとかそういうことはないです。

他の自治体の長の皆さんがしょっちゅう東京行ったりとかしますし、これは大変悲しい事件ですけども、天満で親子が亡くなった事件もありました。僕が大阪にいなかったっていうところについて、市民の皆さんが何やってんだって言われるかもわかりませんが、ただ事件が起きる度にずっと大阪に居続けているということもないですし、出張も入りますしね。

だからこそ市長だけでなく区長もおいて、みんな組織で対応するような体制をとってるわけですから、今回の件で大阪市政に使わなければならない時間を、無理やりこの慰安婦問題に使ってですね、市政を停滞させたとは僕は認識しておりません。ただ、そのような誤解を受けないように態度やふるまい、改めるべきところは改めていきたいと思いますけども。

タカセ:そうしますと、今回色んな案件が成立しなかったというのは、そもそも議会からの要望が市長が反映できるような形でなされなかったということが問題だと?

橋下:議会とうまくコミュニケーションが取れていない、問題点の認識とかそういうことの共通化が図れていないところだと思いますから、議会は議会で言いたいこと山ほどあると思いますのでね。そういう議会が言いたいこともしっかり僕が受ける、対応できるようなそういうプロセスをしっかり作らないといけないんじゃないでしょうかね。それは今議会で議論してるんじゃないですか。特別委員会を設置するのかどうかっていうところでね。

今回の一連の騒動で僕は議会とコミュニケーションをとる時間を捻出してしまったという認識はないですけど、これまでの中でまだまだ議論不十分だという認識を議会は持っているでしょうから、議論を深めるために特別委員会であるとかそういうことの設置をしてもらってですね、さらに民営化についての議論を深めていきたいですね。

タカセ:すみません、あと一点。質問じゃなくて要望になるんですけど、わたしが取材をしてみてきた公務員の漫才コンビの安定基金なんですけど、西成区のプロモーションビデオを作成中なんですけど、予算が足りな過ぎて作れない状況になっているので、もしお気にかけていただける余裕があればよろしくお願いします。

橋下:それで僕がOKって言ったら、議会がまた怒るかも分からない。しっかりと聞いておいて、対応するように考えます。

タカセ:ありがとうございます。

タカニシ:タカニシです。一点だけなんですが、訪米のキャンセルについて法的に問題ないということで、公費負担をされるということで、逆に市長が負担すると違法にあたったりとか、問題が起きるかもしれないんですけど。法的な問題はないにしても、動機的な責任があるんじゃないかという指摘もありまして、何らかの形で説明をするなり、すでに報酬は42%カットされてると思うんですけど、自らの報酬を切ることで市財政の負担を減らすという制約もあったのかと思いますが、どのようにお考えですか。

橋下:お金については個人が負担するということはないですよ。そんなことやったら何かやる度に負担が生じて、全部個人で負担するのかなんて言ったらこんな仕事できませんからね。それはやりません。ただ法的に問題がなくても、やっぱり問題があるんじゃないかという、適切ではないんじゃないかという指摘はあるでしょうから、これはいわゆる選挙での審判でね、有権者に判断をしてもらうようなことであって、確かに法的に問題ないから全部いいのかっていう問題ではないです。それは一連のそういう自身の発言でキャンセル料が生じたっていうこともあるでしょうから、そこに何らかの問題性っていうものを感じる有権者の方がいらっしゃることも確かだと思います。

僕は法的に問題ないから、絶対的に正しいとは思っていません。ただ、自らがですね、その金額を負担しなければいけない、まさにそれが法的な責任ですけども、そういうところまでは考えていません。そんなこと言い出したらこんな僕のような仕事はできませんからね。それは役所の方も色んな業務をやる中で損失とかそういうものが出る場合もありますけど、やっぱり重大な故意とかね、重過失とかそういう場合に個人の求償を求められてるというところもありますけどね。僕はそうではないと思っていますから、自身で負担をすることはありません。

ただ、違うんじゃないの、そうじゃないんじゃないのという有権者からの指摘があることも認識しなければいけませんので、これはある意味政治的な責任として、議会からの追及に対して説明をするなり、ないしは最終的には僕のような立場っていうのは、まさにこういうことをチェックするために選挙というものがありますので、そこで有権者の皆さんがしっかりと審判を下してくださればいいんじゃないかと思います。

タカニシ:選挙となると、市長選にまた出るということになるのか、また別の選挙なのか、有権者としてはいつの選挙でっていう

橋下:それはもうどんな選挙でもあるじゃないですか。維新の会が係る選挙っていくらでもあるじゃないですか。

タカニシ:橋下市長ご自身の選挙?

橋下:だけでなくてもね、次の参議院選挙でもそうですし、維新の会が出る選挙でもそうですし、住民投票もこれからあるでしょうし、色んな所で有権者は意思表明をする場があるわけですから。この件だけで賛否を問うっていうのは今の法制度の中ではないですからね。それだと直接的な民主制というか何でもかんでも一挙手一投足で投票を決してもらわないといけないのかっていう話になりますから、今の間接民主制を原則としている日本の議会制民主主義の中では、僕が関わる選挙の中で厳しい判断を下していくという有権者の責任の問い方というもので、責任追及してもらえばなと思います。

タカニシ:市長がおっしゃるように不適切と感じる有権者、あるいは市民がいると思いますので、選挙っていうのはいつかよく分からないので、そういった不適切だと思っている有権者に説明するのはあくまで議会の場で質問があれば?

橋下:そうですね。それが議会ですからね。それをやりだしたら、役所のありとあらゆること全部説明なのかってことですから、そういうことの説明の場として議会があるんじゃないでしょうかね。

タカニシ:分かりました。

ヨシイ:フリーのヨシイです。一点だけ3月5日の本会議で公明党の市会議員からですね、特別顧問のことに関して男性ばっかりだと、女性の能力を活用する気ありませんかって言われたときに、市長は女性がいないのは問題だと、登用していくという発言をされたんですけど、これはと思われる方に今アプローチされているのですか?されているとすると、進捗状況はいかがですか。

橋下:案が来て、その後の進捗は人選のリストが来たところまでは覚えてるんですけどね。

男性:それは把握しておりませんので。

橋下:そうですか。人選が上がってきてるはきてるんですけど。

ヨシイ:あんまり色よい返事がないって聞いてるんですが。

橋下:やっぱりそうなんですか?

ヨシイ:やっぱり例の一連の発言が影響しているっていうのがあると思うんですけど。

橋下:いや、それを聞いたのは4月とかそれくらいの時だったですけどね。それはまた局に確認してもらえば、今回の慰安婦問題を巡る発言以前の時に人選のリストとかきましてね、局の方で調整するっていう話は聞いてましたけどね。

ヨシイ:いまだにアプローチされているってことですか?

橋下:もうこれは組織的な対応でやっています。状況はまた政策企画室かに聞いてもらえれば。

ヨシイ:はい、ありがとうございます。

キムラ:もう一度すいません、ABCのキムラです。キャンセル料の件ですけど、なんでもかんでもその行政にあったことを市長が弁済する必要は全くないと思いますけれども、今回のことは市政と全く関係ないところで市長が発言されたことに対する影響ですよね。それで市民としては、それを税金で払うというのは納得いかないところだと思うんです。

かつその選挙でというのは、先程ご指摘あったように次の選挙に出られるかも分からない中で、それをどこでもいいから維新の選挙で審判すればいいとかですね、さらに言えば住民投票とは都構想の住民投票の事をおっしゃってるんですかね、その事こそさらに絡めるのは問題じゃないかと思うんですが。そこはきちんと線を引かれて、何らかの形で責任を取られた方スッキリすると思うんですけど。

橋下:でも故意で、また重大な過失をもってこの損害を生じたわけでもなく、僕のそういう意図がない中で責任責任と言われますけどね。やっぱりその日本の責任の体系は違法すると、そして有責性というところがあって、責任を問われるわけです。全て結果責任をって言う社会ではないはずなんです。今回僕自身の見解を述べたことに対して、先方がそれに対して違う立場だったということです。そうであれば、それは違う立場だったというのは、相手の立場だけであってですね、僕自身は自分の考えを述べる、見解を述べる。これ自身が許されないということになってしまうこともあるのかっていうことですよね。

ですから、僕自身があえて今回相手方を傷つける意図があったとか、それからこのそもそも訪米日程を中止させる意図があったということがあればね、それは僕自身が費用を負担しなければなりませんが、訪米日程をそもそも中止させるなんていう意図はなく、たまたまこれは見解が相手方と会わなかったということですからね。いわゆる今の日本社会における責任問題を問われる責任とは違うと思います。

キムラ:法的責任の問題ではないと?

橋下:そうですね。

キムラ:故意がなかったという点も分かりますけど、ただやはり市政とは関係のないところで起こった問題ですので、一政治家として発言されたことの結果としての責任ですよね。結果として責任を取られた方がいいと思いますけど。

橋下:ですからその政治家の責任というものは、有権者が投票行動を通じて責任を追及していくっていうのが最後の責任じゃないんですかね。これがもし市政と関係ないということであれば、プライベートでですよ、何か事故をしてしまいました、病気になってしまったからキャンセルになりました、こういう事もじゃあ問題なんですかね。だからその線引でね、市政とは関係ない発言で訪米が中止になりましたっていうことが問題になるんであれば、市政とは関係ない自身の体調管理の問題でね、訪米できなくなりましたと、キャンセル料が発生しましたと、病気の時はいいんですかね?それは正当性があるんですかね。

そういう時に体調管理が悪くて体調を崩してしまったとか、そのあたり責任はあるんでしょうか。発言のことも僕はやっぱり個人の政治家が思いを述べるというのは、違法性がある発言があれば問題ですけど、そうじゃなければ何の問題もないと思っていますし、それは相手方がどう感じるかっていうだけの話ですからね。相手を侮辱するというわけでもなくただ見解が違うということでこのような事態になったということだと思いますので、僕はそれはむしろそういう事で発言に抑制がかかるっていうことの方が問題だと思いますね。

キムラ:発言の中身を問うているのではなくて、関係ないということですか。もう一個不可抗力でいけない場合の話を出されましたので、その不可抗力の場合は仕方ないと思いますけども、たとえば大阪市議会では以前ね、行政視察を直前になってキャンセルした議員は自腹でキャンセル料を払っているんですね。そういう事例もあるので、これを払うことは何らおかしいことだと思わないですけど。

橋下:でもキャンセルにしたのが自分自身の理由でしたのかどうかですよね。僕は自分自身でキャンセルというか、行けるんだったら行きたいと思っていたわけですよ。じゃあその不可抗力っていう話と、不可抗力ではなく市政とは別のところで過失にもとづいて事故を起こしてしまって行けなくなってしまったとか、こういう場合も全部キャンセル料負担するのかっていう話になってきますよね。僕は今回のキャンセル料については、やっぱりもうちょっと冷静に見てもらって訪米日程を中止する意図だったりとかね、何か妨害するようなそういう認識で僕自身がそういう行動をとったということであれば問題でしょうけども。

それから進めていたことに関しては、全くの自己都合で止めるということになればですね、そうでなければいわゆる金銭負担の問題は僕はないというように思っています。ただこれに関して不適切だとか、責任とれっていう声があることも認識した上で、あとはもう政治家としての責任だと、政治的な責任だと思っています。

キムラ:分かりました。平行線なので。

キノシタ:読売新聞のキノシタです。この後夕方になると思うんですけど、一部弁護士グループの方々が今回の橋下市長の一連の発言で品位を穢したという懲戒請求を予定しているようなんですが、そのことについてのご見解をいただけますか。

橋下:これは以前も話しましたけど、懲戒請求権の濫用だと思いますね。具体的な行動で誰かを侮辱したわけでも誰かの名誉を棄損したわけでもないなかで、まさに品位を穢したってこれはもう弁護士法の重大な欠陥だと思いますよ。表現の自由とかそういうことに関して規制をするときにね、品位を損ねるようなことについてはダメだっていう、もし表現の自由を規制するルールの中でこんな品位を損ねるという抽象的な規定が入ったらメディアは大批判すると思います。だって品位を損なうなんて定義がないわけですから、何がどうなのかなんてわからないわけです。

僕の今回の発言について品位を損なうから懲戒請求だとか、これは弁護士だから懲戒請求を受ける立場になってますけど、弁護士じゃなければ懲戒請求の立場なんてないわけですからね。これはもう僕は、極めて危険なまさに政治活動についての重要な挑戦だと思いますよ、弁護士の方がね。

あとこれは僕自身が政治的な発言をするわけですから、それに対して品位を損なったから懲戒請求だなんてことを言い出したらね、もうそれは政治的な見解なんて述べれませんからね。特定個人に対して何か危害を加えたとか、特定個人に対して侮辱をした、名誉棄損をやったっていうことであれば、それは問題なんでしょうけど。それはやっぱり、一般的な政治的な見解なわけですから、ここまでで、こういう見解にまで懲戒請求で抑制をかけて行こうっていうのは、僕は弁護士としてあるまじき行為だと思いますけどね。

もともと大阪弁護士会に、僕の以前の光市母子殺害事件の弁護団に対する懲戒請求の呼びかけ行為について業務停止を出してますけどね。この後、最高裁では表現の自由の問題がないという、そういう決定が出てるわけですよ。今の弁護士っていうのは、表現の自由とか政治的な見解の事由の重さっていうのの認識が非常に薄いんじゃないでしょうかね。何でもかんでも懲戒請求をやって、かければいいと思ってるんじゃないですか。

キノシタ:法律の枠組みの方が悪いとおっしゃるのか、法律の解釈の仕方が悪いと?

橋下:両方です。品位を損なうなんて漠然とした規定も、今はそんな法律は認められません。青少年健全育成条例でも淫行という言葉があまりにも抽象的すぎるんじゃないかとか、そういう議論をやっている中で、人間の行動を制約するのに抽象的な規定で制約するっていうのはやってはいけませんよっていうのは、ある意味今の日本国憲法の建前ですよ。唯一この抽象的な規定で人間の行為に規制をかけるその条文の典型例が、この弁護士会の懲戒請求の事例の品位を損なうっていう規定ですよ。

品位を損なうってじゃあ何が品位を損なうのか、僕の今回の発言で品位を損なうって、他に弁護士でもっと品位を損なった行動やっている人もいるんじゃないかと思います。これはね、収拾がつかなくなります、品位を損なうなんてのは。これはもう知事になる前から規定はおかしいと言い続けてきましたので、品位を損なうなんてこんなことやったらね、それこそもう全体主義といいますか、ありとあらゆる力を行使してしまうことになりますんでね。

現にそうじゃないですか。僕自身のテレビ発言については業務停止が出ましたけど、裁判所の方で同じ事件で書類を提出しなかったり、裁判をどんどん、どんどん伸ばしていった行為については、弁護士会派品位を損なうに当たらないとしているんですね。ものすごい恣意的に使われてますよ、この品位を損なうっていうのも。もし嫌いだと思ったら品位を損なうってやればいいんですから。大変な欠陥のある規定だと思いますけどもね。もっと具体的にこういった場合に懲戒請求になりますよって書けばいい。これが日本国憲法の建前です。

キノシタ:品位を損なうという規定自体をなくしたほうがいいっていうことですか。

橋下:もっと具体化すべきだと思いますよ。だって品位を損なうって、じゃあ何が品位を損なうんですか?誰の基準で品位を図るんですかね。極めて不明確な危険な規定ですよ。要は気に食わない弁護士を、これで全部懲戒処分に持っていけるんですもん。気に入る弁護士に対して、自分たちと同じような考えの弁護士は全部この規定で救っていくわけですよ。品位を損なうべきじゃないと。一般の国民がこれは品位を損なうなって感じる弁護士であったとしても、懲戒処分になっていません。裁判を引き延ばしたりすることに関してね。だからそれは非常に問題だと思いますね。

光市母子殺害事件でも、最高裁の弁論を開く時に直前になって弁護団はFAX1枚で欠席をしたんですね。それは大問題だと思いますよ。遺族の方はその最高裁の弁論にわざわざ遠方地まで出向いて行ったのに、弁護団の方は時間が足りないと言ってFAX1枚流して欠席したんですよ。こんなのは世間で考えるところの品位がない最たるものだと思いますけども、弁護士会の方はそういう判断もしていませんね。

で、僕の発言の方が品位を損なうというんだったら、それはそういう判断はあるんでしょうけど、品位なんて一体誰が判断するんですか。こんなの判断なんてできないです。もうルールではないですね、品位という言葉を出すというのは。だからそれは具体的に、じゃあ市長職にありながらこうこうこういう風な発言をした場合には、懲戒事由になる、とかもっと具体的に書けばいいわけです。

キノシタ:懲戒請求掛けられようとしているのは弁護士としてっていう

橋下:だから今、具体的に議論したらおかしいこと分かるでしょ?だって僕は弁護士として発言したわけじゃないんですよ。市長として政治家として発言したんですよ。それが弁護士会の懲戒請求の対象となるんですから。それをあそこは、一応品位っていうのは弁護士の職業内外ということになってるんでね、内外問わず一般のプライベートなところでも品位を保ちなさいよっていうのが弁護士法の建前ですけども。内外問わずのところで僕は公のポジションとして発言したことですよ。弁護士の内外問わずとは違うじゃないですか。

弁護士としてのプライベートとね、弁護士としての仕事について品位を求める、それでこの懲戒請求の対象になるっていうんだったらわかりますけど、全く別の仕事でやってるこの行動についてね、弁護士会の懲戒請求の対象にするっていうのがおかしいです。だからこうやって議論すればおかしさが分かってくるわけです。具体化なんか出来ないじゃないですか。市長として弁護士が公の職に就いた時の不適切な発言も懲戒事由になりますよって。じゃあ、そんなルールって書けるかっていったら絶対に書けないでしょうね。それ関係ないやんかって言われますもんね。

キノシタ:出来るかできないかでいうと、弁護士登録をされている以上、弁護士として懲戒請求の対象にはなりえるということですよね。

橋下:なりうるという事です。

キノシタ:それに対してのご意見というのは、今、よくわかりました。

橋下:あれはもう弁護士法が大欠陥です。懲戒請求のことと、品位を損なうと、弁護士の内外問わずって言うところで、僕が別の仕事をやっていることに関しての態度、ふるまいについてまで弁護士としての懲戒請求の対象にするっていうのはおかしいと思いますね。弁護士の仕事と、弁護士としてのプライベートなところまで対象にするのはわかりますけど、完全に別の仕事をやっているときの態度ふるまいまで弁護士法で網をかけようなんて弁護士の横暴としか言いようがないと思いますよ。

キノシタ:ありがとうございました。

ソノタ:朝日新聞のソノタです。経済戦略局のことで少しお伺いしたいのですが、経済局とか、旧ゆとみどとか、今度は都市計画局の一部もイノベーションとか今後入ってくるのかもしれないんですけど、中小企業対策や商店街対策といった基礎自治体的なものから、もっと広域的な都市計画まで、すごく広いんですけど、民間から起用した局長に期待することというのは広域的な方針を示してもらうのか、基礎自治的なものに目を傾けてもらうのか。どっちもというのは分かるんですが、一人の局長に期待することは?

橋下:それはもう両方としか言いようないです。ただ一番重要なのは感覚です。都市経営ということで経営難でね、決められたことを執行していくっていうのも非常に重要ですけど、大阪市役所組織がもうそんなのはきちっとやりますよ。でも感覚的にね、単純に言えば大阪城の西の丸庭園でモトクロスやるっていう案件が来た時に、僕が判断するまで役所としては動かないという、こういう状況を変えたいということです。僕みたいな感覚だとやろうっていう話になりますしね。同じような感覚でこういうことが出来るのかってなれば、また今度大阪城で民間企業の方に力を借りてイルミネーションやりますからね。有料イルミネーションもやりますから。もう西の丸庭園というのはそういうことの使い方でいいんだなっていう風に組織の方も思うのかもわかりませんが。

最初に単純に言えば、大阪上の西の丸庭園であそこでモトクロスの競技をやるっていう話が来た時に、やっぱりそれまでの役所の感覚だったら絶対にノーってなるところをね、拾い上げてくれる感覚ですよね。そうじゃなかったら、僕が全部案件見ないといけないんで。そういう感覚を非常に重視してますけどね。あとは、仕事はもう広域も基礎も全部同じように力を尽くしてやってもらいたいと思いますけど。

ソノタ:そういう意味でユトミトの方から経済局の方一人ずつ理事の方がいらっしゃると思うんですけど、その辺で局長と理事である程度業務を分けるとかではなくて、局長は全部を見るというようなイメージなんですか。

橋下:見るというよりも、それは組織ですから。みんな見れるわけでもないですけど、理事は理事でやっぱり行政マンとしてのプロですからね。今の経済戦略局の理事も僕の発想といいますか、そういうのを確実に実現して、実行してくれるんでね。大体民間の人間が集まってああでもないこうでもないと議論してても、議論するばっかりでじゃあ具体的に実行できるのかって言ったら何一つ実行できないわけですよ。

これはやっぱり大阪市の職員はそういう実行力ありますからピシャッと実行してくれるんで、やっぱり局長が求められるところは組織のマネジメントもありますけども、最初の感覚でこれやろうとか、これに力を入れようとか、これ面白いから進めていこうっていう風に号令をかけれるかどうかだと思いますけどね。今まで前例がないからとか、これは色んな所で批判を受けるからとかいうところで止まらずにね、これやっていこうって号令かけれるかどうかってことだと思いますよ。それが出来ればもう、市の職員でバッチリ実行はしてくれると思いますからね。

ソノタ:わかりました。ありがとうございました。

朝日新聞:朝日新聞です。大阪市の斎場で心付けをもらっていたということで懲戒処分を受けた職員の方々の判決について、大阪市側が控訴したという事は、事実を精査したうえで報告がきたと思うんですが、どういう判断を元に今回控訴することに?

橋下:もう人事室が判断したことにそんなにおかしな点はないので、それでやっていこうっていうそれだけです。先ほども言いましたけど、組織のトップが何から何まで全部把握してチェックするなんてそれは無理なわけですから。報告を受けて、人事室の方で案を考えてくれ、方針を決めてくれっていうことを言いましてね。人事室の方で精査をして、やっぱりこれはきちんと争いたいというような話があれば、その話を聞いて著しく不合理性はなかったんでね。じゃあそれでやっていきましょうと。それだけです。